計算したら本棚に年間48万?一等地の法律事務所が、あふれる本や資料のために行っていた工夫とは?

弁護士を仕事にすると、本がどんどん増えていきますよね・・

弁護士にとって、本は重要な商売道具です。
弁護士バッヂを常に付けているイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、たいていの先生はバッヂは小物入れなどに入れており、常に持ちあるく物としてはノートPC、手帳や筆記用具、資料を入れるクリアファイルといったところがせいぜい。

持ち歩かないけれども実は大量に保有しているのが、「本」です。

しかも、法律書だけでなく、訴訟資料や関連する証拠資料など、弁護士として活動するにあたって必須な資料も大量に本棚を占めています。

法律書というと、「六法全書」のような分厚いものをイメージされる方も多いかと思いますが、確かに、法律の実務書は「厚くて重い本」が多いです。とても常に持ち歩けるものではないうえに、本は、増えてくると本棚の配置も考えて調整する必要があります。

最近はオンラインでのサブスクサービスや、電子契約サービスなど、様々なリーガルテックも登場し、法曹界にもDXの波は押し寄せていて利用もしていますが、実は最後まで紙の本や資料を扱わねばならないのもまた法曹界なのです。

紙の本にしかない情報、紙の資料にしかない情報、ネットにある情報から、目の前の案件に必要な一文を見つけ出し、組み立てることが法律家の業務では重要な位置を占めます。

問題は、使い終わったあとのこれらの本や資料です。

私も、学部生時代から勉強してきた本が自宅の押入れに開かずのダンボールとなって眠っているうえに、新たに必要となる本が増え続け、自宅の本棚は本が横積みや二重置きになり、そろそろ限界が近づいていました。

法律書は、一般書と違い、サイズや重さもそうですが、一冊一万円以上する本もザラ。
必要性はもちろんですが、心情としても捨てづらい

弁護士になって5年ですが、正直これだけ捨てられない本が溜まるとは思っていませんでした。

また私は法律書以外の本も多く持っていて、世の中の流れを知ったり、論理性を鍛えるためにも個人的に読書を続けているので、なおさら自宅の本棚は限界が近づいていました。

「本棚スペース」法律事務所の物件選びの盲点でした

私は1年後には独立開業を目指しており、空き時間には候補となる物件をチェックしています。
開業する場合、顧客の信用度やアクセスからしても、場所は非常に重要と感じています。コストをかけてでも、都心の利便性の高い場所に構えることを決め、丸の内、赤坂、銀座あたりから徒歩圏内の地域を選びたいと思っています。

開業を意識していたところ、開業後は本棚スペースの重要性が増すとともに、その対処が重要ということにも気づいてきました。

開業し、事務所としての歴史が長くなり、規模が拡大していくということは当然、不要な本や資料は滞留しながらも、他方で、新たな必要な本や資料、書類を全て格納していかなければならないのです。

事務所が都心となると、賃料は一坪あたり2万円以上で、内装代や原状回復費を考えると一坪3万円〜4万円程度の坪単価になります。
試しにうちの事務所の本棚を測ってみると、1つ幅90cm、奥行き40cmでした。
取り出すためのスペースを考えると、奥行き50cmを追加で確保したいので、1つ90平方㎝、0.27坪くらいですね。
ということは本棚は1つにつき、月8000円。なんと年額10万円が生じる計算です
本棚5つで、月4万円程度の費用が生じることになります。
年間なら48万円
しかも、所属弁護士数が増えると案件数も増えるため、そのスペースはべき乗で増えていきます。
48万円×Nと考えると、計算が狂った時に感じる特有の「ぐぬぬ、、」という感覚が頭をよぎり、それ以上の思考が進まなくなります。

現状は、自分の抱えている案件の本、法律事務所として必ず置いておかねばならない本、そして各種訴訟資料や郵送物など、紙の資料の大半は今の所属事務所に預けてあります。

ただ、私の所属する事務所では、他の事務所とは異なり、本が溢れている状態を見たことがありません。

10名以上の弁護士が所属して、それぞれが多くの案件を担当しているので、本や書類の量はかなりのものになりますが、弁護士のデスクには、直近で必要な書類を入れるキャビネットと、本棚が共有で置いてあるだけです。

直近では不要になったものの、いつかは再度、利用するかもしれないといった本や資料は、事務所がどんどん預かってくれています。ですが、事務所には大きな書庫等があるわけではありません。

この事務所にはなにか秘密がありそうです。

実はボス弁も悩んでいた(でも今は・・)

さっそく、終業後のボス弁に相談してみました。
独立を考えていることは話していたので、案件に関する相談は定期的にしていたのですが、定例の打ち合わせとは別に声をかけることはレアケースでした。

物件選びにあたって、最も重要なスペースの見積もりが甘かったこと。本のスペースをどう確保しているのか、率直に聴いてみました。

するとボス、
「今は”ブックオーシャン”というサービスを使って管理しているよ」

話を伺うと、
・案件をこなすたびに増える書籍や資料が増えてスペースを圧迫していた
・業容拡大に伴う移転が数年おきに発生していたが、その度に大量の書籍や資料を移動させるのが負担だった
・移転したあと、一度も開かない段ボールが部屋の片隅に積まれたまま次の移転が必要になり、このスペース本当にもったいないなと感じていた

といった課題があったとのこと。

なんとかできないかなと思っていたときに知人の弁護士から「ブックオーシャン」というサービスを教えてもらった、という話。

「ブックオーシャンを使うとこんな感じで本を管理できるんだよ」
と、スマホを見せてくれました。

ブックオーシャン?
画面には本の表紙画像やタイトル一覧が。
そのサイトは、どうやら本や資料を管理できるサービスらしい。
なるほど、蔵書管理を特別なサービスでやってるんですね。

そう早とちりしたが、一冊ずつのページをよく見て驚きました。
表紙のシミや傷など、見覚えのある表紙ばかり。単に蔵書のタイトルを管理しているだけではなく、全ての表紙が実物のものを撮影されていました。

ブックオーシャンとは、本の預かりサービスでした
法律事務所としての蔵書、ボス弁が特に大事にしている法律書や哲学書、機密性のない書類のファイルなどがすべて、カテゴリーとタグをつけて管理してあります。

管理するだけかと思ったら、ボス弁は本をまるごと預けていたのでした。
さらに、1箱400円で全冊撮影までついてくるとのこと。
本や資料を整理できた上で、本棚のスペースがまるまる空く。
本が必要な時は、一冊ずつ取り出して送ってくれる
というわけだ。
事務所の資料事情がスムーズに回っていた秘訣がよくわかりました。

■本の分類にひと工夫

カテゴリーやタグで、「法律書」「参考書」「加除本」「資料」「事務局用」「各弁護士用」など、詳細に区分けされている。

自分が合格した年の司法試験の問題集もある。確かに、実務に夢中になると、時には新しい法令を体系的に理解したくなるから、ボス弁でも司法試験も振り返りたいのかな、って思ってしまった。

案件が忙しい時ほど、必要な資料が届かなかったり連絡待ちで暇になる時間があります。
そんな時に、最近は独立後の事業計画や物件選びに時間を割いてしまっていましたが、やはり法律の基礎知識の勉強はおろそかにしてはいけないと再認識しました。

加除本が出てからそれに手をつけないまま改定版が出てしまうこともザラ。
こうして読まねばならない本や、参考書や資料がリスト化されていると、それも可視化されるので学習フローもスムーズになりそうです。

一点、気になったのは出版物ではなく紙の資料。
中には取扱い注意の資料もあり、セキュリティには最新の注意を払わねばなりません。

そこを見越してか、私が「でも…」と言うが早いか、ボス弁が説明してくれました。

ブックオーシャンの倉庫はカルテなども預かれるセキュリティ体制を整えているとのこと。ISMS/ISO27001認証も取得済ということで、そこもチェックしているのはさすがだと思いました。

これなら、全てとはいかないまでも、過去の書類などはかなり片付きそうです。

更に詳しく話を伺うと、写真撮影のないBOXプランというのもあり、こちらはもう少し安く預けられるとのこと。
ボス弁は当面使わない案件ごとの資料をBOXプランで預けているそう。

「管理画面で箱ごとに名前やタグを付けることができるから、必要になったときにすぐに探せるし、まるごと取り出せるから便利だよ」

確かに資料の整理や資料を探すときの時間、振り返るとかなり無駄にしていたように思えます。

・・あれ?
もしかしてこれって仕事のやり方自体がかなり変わるのでは・・・

最新のリーガルテックばかり調べていた自分が片手落ちだったことを実感しました。
弁護士の仕事、結構物理的な無駄が多いのかもしれません。
その部分にメスが入るようなサービスと感じました。

■さっそく本を預けてみることに

帰宅後、さっそくまずは自分の本を預けてみることにしました
独立前に、私物と業務用の本も分けておかねばなりません。

学生時代になんとか買った高価な法律書や、取引先の業界の情報を知るための本、経済誌など、思いの外さまざまな種類の本を買っていたことにいまさら気づきました。

自宅の本をとりあえずダンボール10箱預けてみることに。
(ついでにそこそこの量の本を処分しました。)
ブックオーシャンから届いたメールを見てあらためて納得しました。

これは使い勝手がいい。

ダンボール一箱につき何冊か分野によって計算ができるので、少なくとも蔵書に関しては案件が増えてもスペースの心配はなくなりました。

■仕事と事務所、どちらにも影響が!

本を一通り預けて、とりあえず自分の家はとても快適になりました。
こんなにスッキリするとは、部屋が片付くのはそもそも気分が良くなります。

そして、事務所について。
本や資料があふれることをあまり気にしなくて良くなったので、一等地で省スペースのオフィスを検討できるようになりました。
開業するということは、経営者になるということ。
資金繰りを考えるとできるだけコストを抑えなければと考えていたので。

あとは資料の整理について。
いつかきちんとしなければ、、とこころの重荷になっていましたが
案件ごとにとりあえず箱に詰めて送ってしまったので、整理自体が簡単になりました。

開業後、もちろん業容拡大をしたいと考えていますがその時も移転が楽にできるかなと思っています。

ブックオーシャン、地味ですが、私にとって重要なサービスでした。

私のような勤務弁護士の方、独立開業している方、また、他にも本や資料を必要とする士業の方々、本や資料の課題を感じている方は是非一度検討してみてはいかがでしょうか。

こちらは「蔵書管理サービス ブックーオーシャン」利用者の方々にヒアリングを行い、記事として再構築したものになります。

ブックオーシャンのサービス詳細に興味がある方はこちらからご覧ください

↓都内で法律事務所を構える菅沼さんへのインタビュー記事もぜひ合わせてご覧ください。↓

直感的に「あ、これはいいやつだ」と感じました

ブックオーシャンで
新しい書棚体験を